京都市の『祇園祭』に合わせて授与される『厄よけちまき』が、インターネット上で多く転売されていることが問題になっています。
ちまきは近年、作り手の高齢化や材料の不足などで授与数自体が減っているといいます。授与する山鉾の保存会関係者は「あまり罰当たりなことはしない方がいいのでは」と転売をやめるよう求めているといいます。
今回は問題となっている祇園祭の厄除けちまき転売問題についてみていきます。
インターネットで転売
インターネット上では前祭の山鉾巡行(17日)で先頭を行く長刀鉾のちまきや、今年巡行順を決めるくじで「山一番」を引き当てた蟷螂山[とうろうやま]のちまきなどが多数販売されている。
長刀鉾のちまきは、ヤフーオークションでは14日午前の段階で、10本ほどが出品されていた。フリーマーケットアプリ「メルカリ」でも同時間帯に15本ほどが並び、すでに売買が成立したものでは、正規の授与額が千円なのに対し、2千円近くで取引されていた。八坂神社は「ちまきはご神徳をいただくお守りのようなもの。神社や各山鉾の神々にお参りしていただくべきで、転売やインターネットで別の人から購入するのは、やめてもらいたい」としている。
出典元:Yahoo!ニュース
長刀鉾は連日、ちまき入手のための長蛇の列ができることで知られています。
14日も午前10時からちまきを授与する予定でしたが、数百人の行列が出来てしまったため、1時間以上繰り上げて午前9時からと時間を早めて授与を始めました。
宵山の始まる夕方を待たず、約2時間後の午前11時までに当日分は売り切れてしまったそうです。
正規で入手するために行列ができている中での転売に、長刀鉾保存会の井上俊郎代表理事は「一人一人に入手目的を確認するわけにもいかない。転売などがないよう個人の良心に任せるしかない」と言葉少なに語っています。
転売目的の人が多くなったことで、地元の人が買えないという事態になっています。
ネットでは3,4倍の値段
ネットでは3、4倍の値段で売られていることに関係者の方々は憤りを感じているといいます。
ネットで買っても御利益はないとして、来てもらって授与されることで御利益があるといいます。
そしてなによりも作っている人の気持ちを考えてほしいとのことです。作る方が少なくなっている中ご高齢の方が気持ちを込めて作られています。
転売している人の中には京都の人もいるようで、悲しくなってしまいます。
ちまきの由来
ちまきというと5月5日の子どもの日に食べる和菓子のイメージがあります。しかし祇園祭でいただくちまきは食べることはできません。
玄関などにつるして1年間の災難や厄除けとして使用するのです。
この粽は、八坂神社さんの主祭神である牛頭天王(スサノオノミコトとされている場合も)に由来します。
昔、蘇民将来という男の家に、旅人に身をやつした牛頭天王が訪ねてきて、一夜の宿を求めました。蘇民は貧乏でしたが、それでも手厚くもてなします。牛頭天王はその心遣いに大変喜んで、そのお礼に「今後お前の子孫は末代まで私が護ってやろう。目印に腰に茅の輪をつけていなさい」言い残して去っていきました。
そのお陰で後に疫病が流行った際も、蘇民の一族は 生き残り繁栄した…ということです。このときの護符になった茅の輪は「茅」を束ねて「巻」いたものです。そこで「茅巻(ちまき)」と呼ばれるようになり、それを同じ発音の「粽(ちまき)」と音を担いで、現在のような束状の粽が厄除けのお守りとして作られるようになりました。また、粽には「蘇民将来子孫也」という護符がつけられています。これは「私は蘇民将来の子孫です。なので病気や災いから護って下さい」という意味が込められています。元々疫病を鎮める祭だった祇園祭のルーツが、粽 にはあるんですね。
祇園祭のちまきのご利益
ちまきは、買うというよりはいただく、授かるというのが正しい言い方です。
山鉾によっていただくとまきにはご利益がことなります。
- 厄除け
- 疫病除け
- 招福除災
- 火除け・雷除け
- 雷除け
- 泥棒除け
- 盗難除け
- 再会
- 親孝行
- 商売繁盛
- 立身出世
- 金運招福
- 勝ち運
この他にも様々なご利益があるそうなので、それぞれに合わせて買ってみるのがいいのではないでしょうか。
転売で買ってもご利益はありません。そこにいってお参りしてちまきをいただくことで、ご利益があると思います。
1年経ったら
1年経ったら新しいものに取り替えるそうです。
古くなったものは買い替えの際にお渡しして頂くか、地域の神社のどんと焼きで焼いてもらったり、古札納所(古いお札を納める所)に納めても、大丈夫のようです。
ユニクロでも
最近ではユニクロの転売がニュースになりました。
6月7日、ユニクロのTシャツブランド「UT」と現代アーティストである「KAWS(カウズ)」のコラボTシャツが発売された。ユニクロ銀座店にはオープン前から長蛇の列ができ、中国の店舗では客同士の殴り合いが起きるほど大混乱。ユニクロとKAWSの協業は2016年から続く人気シリーズなのだが、今回の熱狂はかつてない規模である。
その理由はカウズ自身のインスタグラムにあるようだ。「ユニクロ(UT)とのコラボは最後になる」。このコメントによりプレミアム感が上昇。飢餓感を煽られたファンや転売目的のゲストが押し寄せたとされている。
実際、定価は1500円(税別)だが、国内外のネットオークションでは10倍以上の価格で出品されているモデルも。
長蛇の列、完全に入り口が開く前になだれ込む人々、買うのに必死すぎてケガをしてもおかしくない状況です。
転売対策を取り入れるところもありますが、その対応をネットで晒されてしまうなどなかなかうまくいきません。
まとめ
転売問題は様々なところで問題になっています。欲しい人が買えないのはとても気分が悪くなります。
転売目的で購入する人をやめさせることは難しいので買わなければいいのですが、高くてもどうしても欲しいという人もいるのでなくならないのでしょう。
ネットで欲しいものが手軽に購入出来て便利になりましたが、転売という新たな問題がここ最近は目立つようになりました。
本当に購入したい人が正規の値段で購入できるといいのにと転売の問題ではいつも思います。転売目的の人のせいで欲しいものが買えないというのは本当に辛いです。
どんなに転売がいけないといっても高額でも買う人がいるためなくなりません。買いたい、欲しい気持ちも十分わかりますが、ここは買う側が我慢して転売している人から購入しなければ、転売ヤーと言われている人もいなくなるのではないのでしょうか。
一部の人たちなのせいで本当に悲しくなります。良識ある人が少なくなってしまっているのでしょうか。
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